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漢字の誕生 ~Origin of Kanji~
むかしむかし、中国に蒼頡(そうけつ)という男がいた
彼が野原を歩いていると、地面に鳥や牛の足跡がいっぱいついていた
その足跡を見ると、これは馬が残したもの、あれは牛の足跡だ、とわかる
しかし、実際の馬や牛がいるわけではない
その足跡には、それぞれの動物の特徴がうまく表現されていた
その場にいなくても、人はその動物をあたまに思い浮かべることができる
この原理に気づいた彼は、牛の角を描いてウシ、羊の角を描いてヒツジを表す
これが漢字のはじまりである
動物の足跡が地面についていることは何気ないこと
その何気ない足跡を観察することから
彼は普通の人間よりも、観察眼が鋭かったに違いないといわれた
それから、蒼頡には目が四つあったという伝説ができた
漢字を発明した時に
天は、偉大な発明に感動して、穀物を空から降らしたり
鬼神が夜に声をあげて泣いたという
穀物が降るのは、人間の素晴らしい行為に天が反応を示した
鬼神が泣いたのは、文字によって人間の知恵が開け
悪魔がとびまわる余地がなくなったからだ…
こうして3000年以上むかしに中国で生まれた文字を「古代象形絵文字」と言います
今日、私たちが使っている「漢字」のルーツとなりました
時代を越え、形を変えながらも生き続ける漢字には
いにしえの人々の想いが込められています
大地と風に還ったすべてへ
そして同じ瞬間を生きるあなたへ
参考文献:漢字三千年
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